陥入爪・巻き爪(手術)
巻き爪、陥入爪の治療方法(手術)
治療の比較
巻き爪ワイヤー矯正治療Q&A
巻き爪・陥入爪ワイヤー矯正
「陥入爪」とは、爪の先端または側面が、爪周囲の皮膚にくい込んだ状態です。(特に爪の彎曲が強い状態を「巻き爪」とも言います) 陥入爪が悪化すると、炎症や感染を併発して、赤く腫れて強い痛みを生じます。 |
巻き爪
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爪の先の部分が内側に湾曲した(巻き込んだ)状態。湾曲した爪が足の指の皮膚を挟むようになり、痛みを出したり炎症を起こしたりします。 |
陥入爪
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爪の両端が皮膚に刺し込みで生じます。深爪が最も多い原因とされています。 症状としては、食い込んだ爪の周囲に痛みや赤み、腫れがみられます。 悪化すると膿んでしまうことも多々あります。 |
【 陥入爪・巻き爪の原因 】
1.靴による圧迫
足に合っていない靴で爪の周囲が圧迫され続けることが原因です。女性に多く見られ、高めのヒールや、先端が極端に尖ったパンプスなどを履く機会が多い場合は特に注意が必要です。
また、立ち仕事中心の方などは、足に負担をかける時間も長くなり、巻き爪になりやすいです。
2.深爪の習慣
深爪をすると爪の周りの肉が爪に向かってきます。そのため、両端から爪への圧迫がおこり、爪を巻き込んでしまいます。
「爪が巻いてきて痛いので短く切る」のは一時的に痛みは軽減しますが、爪が伸びるとかえって爪のくい込みがひどくなり、さらに悪化させてしまうという悪循環になってしまいますので、爪は短く切らずに伸ばすようにしましょう。
3.爪の形状(遺伝的要素)
4.スポーツ(母趾に大きな負荷がかかるもの、瞬発力を必要とするもの)
5.肥満、妊娠(急激な体重の増加)
6.長時間歩行・登山
7.爪の水虫(爪白癬)
【陥入爪・巻き爪の治療法】
(1) 手術
* フェノール法による手術
肉にくい込んでいる爪を部分的に除去し、爪の根元を薬品(フェノール)で変性させて、その部分の爪を生えなくする治療です。
巻き爪(陥入爪)手術の適応
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巻き爪(特に陥入爪)で、爪の食い込みが原因で炎症を起こし、膿んで肉芽(にくげ)が形成されている場合は手術適応となることが少なくありません。 このような状態を放置しておくと爪周囲の炎症が広がり肉芽(にくげ)の盛り上がりが増します。当然痛みを伴うことも多く日常生活にも支障をきたすようになることが多々あります。詳しくは受診時にご相談下さい。 |
この治療法(手術)の注意点、ポイント
*局所麻酔を使用します。
*治療後は速やかに痛みは治まります。
*通院は手術の翌日、約1週間後、その後は傷が落ち着くまで適宜受診していただきます。
*手術所要時間は20~30分です。
*手術後は数日、運動は控えていただきます。
治療費
(保険適応あります)
3割負担で約8,000円です。この他に診察料や処方箋料が必要です。
【自分でもできる陥入爪、巻き爪への対処法】
1.正しい爪の切り方をマスターしましょう
女性は見た目を気にして爪を丸く切ることが多く、深爪になりやすいので注意してください。
爪の先端は真っ直ぐに、両端は直角になるように、指先寄りも少し長目に切りましょう。
2.テーピング法
くい込んで痛い側の爪に弾性絆創膏(伸縮するテープ)を貼り付けます。次に、矢印の方向へ弾性絆創膏を引っぱりながら、らせん状に足の指に巻き付け固定します。
この処置で痛みは楽になり、爪を十分に伸ばすことができます。
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くい込んで痛い側の爪に弾性絆創膏(伸縮するテープ)を貼り付けます。次に、矢印の方向へ弾性絆創膏を引っぱりながら、らせん状に足の指に巻き付け固定します。 この処置で痛みは楽になり、爪を十分に伸ばすことができます。 |
※ 以上の処置で改善しない場合は、手術(フェノール法)やワイヤー矯正が必要です。
陥入爪、巻き爪での手術とワイヤー矯正治療の比較
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手術 |
形状記憶合金 |
適用 |
患部が化膿している |
基本的に |
処置時の |
麻酔の注射が痛い |
苦痛なし |
通院 |
術後、数日は必要 |
問題なければ |
消毒 |
必要 |
不要 |
内服薬 |
服用 |
不要 |
処置の時間 |
約30分 |
約10分 |
矯正後の |
やや爪の幅が狭くなる |
正常な状態に戻る |
治療に |
2週間程度 |
約1年 |
お風呂 |
数日は不可 |
当日から可 |
スポーツ |
最低2週間程度は不可 |
不可の場合がある |
日常生活 |
2週間程度は |
ほとんど支障は |
治療料金 |
保険適用 |
保険適用外 |
症状の |
爪の生える根っこの部分を切除するので根治療法と言えるが、絶対再発しないとは言えない |
一旦いい状態に爪の矯正ができても、稀ではあるが1~2年後に再発する場合もある |
※爪の症状、状態は患者さんによってすべて異なります。したがって、治療の経過やそれに伴う治療のコストなどもそれぞれ若干違ってきますのでご承知おきください。まずは、爪の状態を確認させていただき、治療の方針を相談させていただきます(状態によってはワイヤーでの処置ができない場合もあります)。
巻き爪矯正治療Q&A集
Q1. 費用はどれくらいかかりますか?
爪矯正に関しては保険適用外となりますので自費での対応となります。
初回の矯正はひとつの爪に対し、超弾性ワイヤーの場合、初回8,400円(税込9,240円)、2回目以降2,100円(税込2,310円)、爪矯正の方法と爪の変形度合によって異なりますが、通常1~3ヶ月おきに2回~3回程度の入れ替え(ワイヤーかけ直し)が必要です。
Q2. 爪の周辺が赤く腫れていたり膿んでいたりしますがワイヤー矯正は可能ですか?
爪の状態を確認にしてみないとわかりませんが、まず炎症に対する治療(消炎鎮痛薬処方など)を優先させつつ、同時にワイヤー矯正を行うことが可能です。
Q3. 他の人の爪より厚いように感じますがワイヤー矯正は可能でしょうか?
爪が厚いからといって矯正ができない、ということはありません。ただし爪が厚いということは爪が硬い、ということですからワイヤーの強度やワイヤーを装着する位置などの判断や技術を持って矯正していく必要があります。矯正を効果的にするため、必要に応じて爪を削ることも考えます。
Q4.子供でもワイヤー矯正治療は可能ですか?
可能です。子供の爪は、比較的やわらかいのでワイヤーの強度調整や矯正の加減をしながら行います。
Q5. 爪が白っぽくなっていますがワイヤー矯正は可能でしょうか?
これは爪白癬(爪水虫)を患っている可能性があります。まずは白癬菌がいないどうか検査し、必要に応じて爪白癬の治療をお勧めします。また同時に巻き爪矯正を行うことができます。
Q6. ワイヤー矯正後、治療前の痛みが取れるまでどのくらいかかりますか?
爪の変形度合にもよりますが、多くの場合は矯正直後から痛みがなくなります。症状の重い方でも徐々に痛みは軽減しこれまで歩行時などでも痛みを感じていた方でもそれほど気にならないレベルに改善されます。
Q7. 矯正(治療)の期間はどれくらいですか?
爪の変形が改善されるまでには早ければ1か月。平均的に3か月~6か月は見てください。ただし矯正期間はある程度長めに見ておいていただいた方が安全です。見た目矯正された方と言ってすぐに外してしまうとまた元に戻ってしまうこともあるからです。爪の変形が強い場合6か月から長くて1年近くかかってしまうこともあります。
Q8. 当日お風呂に入れますか?
当日から入れます。
Q9. スポーツは可能ですか?
爪の矯正中でもスポーツは可能ですが、あまり激しい動きはお勧めできません。やはり足(多くは足の親指)に強く体重がかかったり、矯正している爪に圧力や衝撃がかかるとワイヤーが取れてしまう可能性があります。また極度の爪への圧力は、変形を戻していこうとする矯正力に影響しますのでスポーツはほどほどに楽しむ程度がよろしいかと思います。ゴルフ、水泳、テニスなどのスポーツは可能だと思いますが、サッカーなど激しいコンタクトスポーツは避けた方が賢明です。
Q10.ハイヒールは履いてもいいですか?
矯正後もはくことはできますが、巻き爪(爪の変形)の多くは足先のきつい靴やハイヒールを長期に履き続けていたことが原因と考えられますので少なくとも矯正をしている期間はなるべき控えていただいた方がいいです。また矯正が終了してからもつま先に圧力(負担)がかかる靴は避けるべきだと考えます。再発しやすくなるリスクもあるからです。
Q11. ワイヤー矯正期間の爪切りはどうすればいいですか?
超弾性ワイヤーによる矯正の場合は、1か月程度でワイヤーをはずし、伸びた分の爪を切ってからまた新たにワイヤーを装着するようにします。
Q12. ワイヤーが靴下やストッキングに引っかかりませんか?
当院のワイヤー矯正法は装着したワイヤーが爪から浮かないようにフィットさせます。また余分なワイヤーをなるべく短くカットします。ですから、装着するワイヤーの高さも低く抑え、違和感がなく美しく仕上げますのでご安心ください。ワイヤーが飛び出して靴下やストッキングに引っかかったり、隣の指に刺さることはありません。お勧めはしませんが、ハイヒールも履くことが出来ます。
Q13. 通院(ワイヤー入れ替え)はどれくらいあければいいですか?
ワイヤーを入れ替えるタイミングは、爪の変形度合、矯正方法によって1ヶ月~3か月置きとなります。初回ワイヤー装着後は一週間後に爪の状態やワイヤー装着の不備がないか確認をしますのでご来院下さい。
Q14. ワイヤーが外れてしまうことがありませんか?
外れてしまうことはあります。接着剤の効果の寿命であったり、爪が矯正されていく過程でワイヤー装着状態のゆるみが生じてくることで外れてしまうことがあります。またご自宅で爪を切った時の衝撃や激しいスポーツをすることなどでワイヤーが外れることがあります。ワイヤー矯正を行った際にご指導しますがワイヤーが外れてしまっても慌てず、ご自身でゆっくり外しそのワイヤーを再診時にご持参ください。ワイヤー装着後1週間以内であれば、外れてしまったり不具合を生じるようなことがあってもワイヤーの入れ替えに関し無償対応いたします。